空き巣以外にも、犯罪が発生しやすい場所には、一般的に以下のような特徴があります。
・人通りが少ないエリア
・照明が不十分な場所
・監視カメラがない、または不十分な場所
・公共交通機関から離れた場所
・バー、クラブ、ナイトライフが集中する地域
・空き家や廃墟が多い地域
・治安が悪いとされる地域
これらの特徴を持つ場所では、特に夜間や一人での外出時に注意が必要です。
犯罪発生のリスクを低減するためには、これらの特徴を避けるか、十分な警戒を持って行動することが重要です。
近年の侵入窃盗・強盗の傾向
警察庁の統計によると、侵入窃盗の認知件数は年々減少しており、2022年における認知件数は36,588件で2009年の1/4以下となっています。
過去最多を記録した2002年には338,294件でしたから、そこから比べると1/9以下に減少しました。
発生場所別でみると2022年には全体のおよそ45%にあたる16,524件の侵入窃盗が「住宅」で発生しています。
これはおよそ32分に1件のペースで侵入窃盗被害が発生していたという計算になります。
また、住宅への侵入窃盗の手口別の認知件数をみると、もっとも多い手口が「空き巣」で全体の60%以上を占めていることがわかります。
次いで多い手口が「忍込み」で約25%、「居空き」は5%ほどとなっています。
ちなみに「空き巣」は留守宅に侵入する手口、「忍込み」は夜間家人が就寝中に侵入する手口、「居空き」は家人が在宅中に気づかれないように侵入する手口を意味しています。
ここで注目すべきなのは侵入窃盗の約1/3は大胆にも家人が在宅中に侵入しているということです。
「居空き」は家族が集まってひとつの部屋で食事をしているときや、主婦が洗濯物を干しているときなどが狙われやすいといわれています。
たとえ在宅中であっても目の届かないところは必ず施錠を行うようにしましょう。
防犯に関する意識調査
MAMORIO株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:増木大己、以下MAMORIO社)が行なった防犯に関する実態調査では、以下の回答が出ています。
10代~70代の男女500名を対象にインターネットにてアンケート調査を行ったところ、「日頃から安全対策をしている」と回答した方は半数以上の57.9%にのぼりました。
対策の具体例は回答者の性別や年代によって様々ですが、「ホームセキュリティの契約」や「防犯カメラの設置」などの回答が数多く挙げられました。
実際に自分が盗難や引ったくり、空き巣などの被害に遭わなくても、近所でそうした事件や異変があった場合は導入を検討する要素になり得る、という回答が見られました。
特に目立ったのは「近隣の方に挨拶をするよう心がける」「マンションの隣室や同フロアの方とは顔見知りになっておく」といったものです。
必要最低限でも日頃から近隣住民の方とコミュニケーションをすることで、先述の不審な出来事や何か変わったことがあればお互いに情報交換ができ、事前の対策を検討することにも繋がるというのです。
実際に近所で不審者を見かけたという近隣住民の情報で子供に見守りGPSや防犯ブザーを持たせたという声も挙がりました。
防犯カメラをはじめとするグッズの導入やホームセキュリティの契約などコストの発生する防犯対策だけでなく、こうした「プライスレス」な意識づけも重要だということが分かりました。
また、「犯罪が起こりやすい特定の地域があるか」との設問には大多数の91%が「あると思う」と回答しました。
特に1人暮らしをする若年層の女性の場合、街灯の少ないエリアや低層階を避けて物件を探すといったケースも少なくありません。
夜の歩きスマホや大音量でイヤホンをしないなど、些細な心掛けが重要です。
一人暮らしの防犯対策【物件選び】
一人暮らしをする際、防犯の面でどんなことに気をつければいいのでしょうか。
物件選びで見るべきポイントを解説していきます。
セキュリティが弱く、築年数の古い物件は避ける
古い物件は、最新の防犯設備が導入されていないことが多く、空き巣や強盗などの犯罪被害に遭うリスクが高くなります。
また、窓やドアの鍵が古く、簡単に壊されてしまう可能性もありますので防犯面では注意が必要です。
死角が多い物件は避ける
死角の多い物件は、犯罪者にとって侵入や脱出が容易であるため、空き巣や強盗などの犯罪の標的にされやすくなります。
防犯の観点からは、視界が開けていて、入り口や周囲がよく見える物件の方が安全性が高いとされています。
2階以上の部屋を選択する
空き巣などの侵入犯罪者は、より侵入しやすい1階の部屋を狙いやすい傾向にあります。
2階以上の部屋は、そのような犯罪のリスクが相対的に低くなります。
また、1階の部屋に比べて、2階以上の部屋は外部からの直接的な侵入が困難です。
特に、窓やバルコニーからの侵入を試みる犯罪者にとっては、高層階はよりアクセスしにくいとされます。
共用部分も要チェック
共用部分には、エントランス、駐車・駐輪場、エレベーター、通路(廊下)、ゴミ置場、非常階段、屋上、マンション敷地内の広場など、マンションによってさまざまなものがあります。
共用部分のセキュリティに関しては、明るく見通しがよいこと、防犯カメラなどで監視していること、オートロックの有無などもチェックしましょう。
夜間の周辺状況を確認する
物件を選ぶ際には、昼間のみならず夜間の周辺環境の確認も重要です。
昼間は活気があり人通りも多い場所でも、夜になると人通りが激減し、周囲が暗くなることがよくあります。
特に、街灯が少ないエリアや人目が届きにくい狭い道は、昼間では気付きにくいポイントです。
日が落ちた後の状況もしっかりと確認しましょう。
夜間の環境を把握することで、より安全で快適な住居選びが可能になります!
管理人が常駐している
敷地内に管理人がいることは、不審者の侵入を防ぎ犯罪を抑止する上で大きな効果があります。
管理人の存在は、常に人の目があることを意味し、これだけで不審者を牽制する効果があります。
また、管理人は不要なチラシの処理や不在時の宅配便の受け取りなど、住民に代わって様々な対応をしてくれることがあり、これにより日常生活の便利さが増します。
敷地内に管理人が常駐している物件は、見つけるのが難しい場合もありますが、その存在は住む人にとって心強く、安心感をもたらします。
このような物件を選ぶことで、安全性と快適性の両方を高めることができるため、物件選びの際の重要な検討点の一つとなります。
一人暮らしの防犯対策【自己防衛】
自宅のセキュリティ強化と個人の警戒意識を高めることは、一人暮らしにおける防犯対策の基本であり、これにより日常生活の安全を守ることができます。
防犯グッズを使った対策や、自分でできる防犯対策を紹介します💡
ミラーカーテンや遮像カーテン
ミラーレースカーテンは、レース素材でありながら室内が外から見えにくい特性を持っています。
これは、外からの視線を遮りながらも、室内からは外が見えるという特徴を有しています。
そのため、日中はプライバシーを保ちつつ、外の景色を楽しむことができます。
ただし、夜間に室内の照明を点灯すると、外から室内が見えやすくなるため、この点には注意が必要です。
一方で遮像カーテンは、昼夜問わず室内の人影や動きが透けにくく、外部から見えにくい設計になっています。
これにより、昼間だけでなく夜間においても一定のプライバシーを保護します。
遮像カーテンは、日中の光を取り入れつつ、室内のプライバシーをしっかりと守ることが可能です。
ミラーレースカーテンは昼間のプライバシーを確保し、遮像レースカーテンは昼夜を問わずプライバシーを守ることができるため、用途や好みに応じて選ぶことができます。
のぞき見防止用ドアスコープカバー
玄関ドアのドアスコープ(のぞき窓)は、外部から室内を覗くことができるため、セキュリティ上のリスクを持っています。
外部の人物がドアスコープを通して室内にいる人の有無を確認したり、内部の様子を窺ったりすることで、犯罪に巻き込まれる可能性があります。
このようなリスクを軽減するために、「ドアスコープカバー」を取り付けることが推奨されます。
ドアスコープカバーは、のぞきや盗撮を防ぐ効果があり、室内のプライバシーを保護します。
窓用の補助錠
参考:楽天
窓用の補助錠は、サッシのレール部分に後付けできる便利な防犯アイテムです。
窓用の補助錠を取り付けることで、窓を通じた室内への不正侵入にかかる時間を増やし、結果として空き巣などの犯罪を未然に防ぐ効果が期待できます。
実際、空き巣事件の多くは窓からの侵入によるものとされています。
女性でも簡単に設置できるワンタッチタイプの補助錠もあり、窓の防犯強化には大変役に立ちます。
しかし、窓ガラスが割られてしまうと、補助錠は外から解除される可能性があるため、完全な防犯対策としては不十分です。
そこで、「窓用センサーアラーム」や「防犯フィルム」といった他の防犯グッズと併用すると効果的です。
防犯フィルム
防犯フィルムは、窓ガラスに貼ることにより、ガラスが割られるのを防ぐ効果があるフィルムです。
ガラスを割る際に時間がかかるようになるため、不審者による侵入を防ぐ上で効果的な手段とされています。
この特性は、犯罪防止策としてだけでなく、自然災害時における安全対策としても重要です。
例えば、地震などの震災が発生した際、防犯フィルムはガラスの飛散を防ぐ役割を果たし、室内の安全を守ることに寄与します。
このように、防犯フィルムは、防犯対策としての役割だけでなく、災害時の安全対策としても有効なアイテムです!
防犯ブザー
参考:楽天
一人で外出する際は、不審者に遭遇したり、予期せぬ危険な状況に巻き込まれる可能性があります。
そんな時のために、護身用の防犯ブザーを携帯することをおすすめします。
もし襲われるような状況になった場合、大声を出すことは思ったより難しいことがあります。
そのような時、防犯ブザーを持っていることで、周囲に危険を知らせることができ、助けを求めやすくなります。
重要なのは、防犯ブザーの使用方法を予め確認し、緊急時に迅速に使用できるように準備しておくことです。
また、ブザーが正常に機能するように、定期的に電池を交換することも忘れずに行いましょう。
玄関扉はすぐに開けない
鍵のかけ忘れに注意!短時間の外出でも戸締りを忘れずに
外出する際には、鍵のかけ忘れに特に注意する必要があります。
一見当然のことのように思えますが、日常の慌ただしさの中で鍵をかけ忘れてしまうことも少なくありません。
そのため、玄関の鍵を閉めたかどうかを何度も確認する習慣を身につけましょう。
また、玄関だけでなく、よく忘れがちなのが窓の施錠です。
大きな窓だけでなく、小さな窓もしっかりと閉めることが重要です。
さらに、ゴミを出すときや近所のコンビニに短時間行く場合でも、必ず施錠することが基本です。
わずかな油断が空き巣被害につながる恐れがあるため、「外出時は必ず鍵を閉める」ということを徹底しましょう。
自宅周辺の写真をSNS掲載しない
SNSに自宅近くの写真を投稿する際には、その写真が場所を特定される原因になる可能性があることを念頭に置く必要があります。
顔や個人情報を隠していても、窓の外の景色など写真に写り込んだ細かい情報から、あなたの家の場所が推測される恐れがあります。
特に、SNSの投稿内容から一人暮らしであることが分かる場合、その情報が悪用されるリスクが高まります。
また、スマートフォンのGPS機能がオンになっていると、投稿した写真から位置情報が漏れることがあり、これが自宅の特定につながることもあります。
そのため、SNSに写真を掲載する際には、自宅の安全を守るためにも、位置情報が含まれていないかどうかを十分に確認し、自宅やその周辺の特定につながるような情報が含まれていないか慎重にチェックすることが大切です。
生活のリズムを知られないようにする
日常生活では、出勤や帰宅の時間が一定のリズムで繰り返されることが多いですが、このような生活パターンが外部に知られると、安全上のリスクが生じる可能性があります。
家に誰もいない時間帯を特定されると、侵入などの危険が高まるため、これを防ぐための工夫が必要です。
例えば、不在時には電気を付けたままにする、またはタイマーを利用してテレビや照明が一定時間に自動で点灯するように設定するなど、家に人がいるかのような印象を与える対策が有効です!
これにより、不在時でも家が守られているという安心感を持つことができます。
まとめ